シルシル満ちる

私の宇宙を感じるままに、そのままに、思うがままに

奇跡の楽器「シンギング・リン」

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一つのリンの縁にバチを伝わせ始めると、静かにゆっくり音が響き始め、

初めはかすかだった響きが次第に大きくなっていき、

気が付くと、傍にあったリンが共鳴し始めていた。

 

じっと、その響きに耳を傾けていると

緑に包まれた少し洋風でクラッシックな装いのその部屋が

さっきと変わらず見えているのに、

自分がそれとは異なる何かの合間にいるような不思議な感覚になった。

 

それは、とても心地よく、ゆったりとしていて、

響きは聞こえているのにとても静か。

それまで、頭の中でずっとせわしなくおしゃべりしていた事にはっと気づいた。

 

その頃、年齢もあって、月経がきちんと起こらず不安な思いをかかえていた。

ところが、その部屋を後にした数時間後、それは静かに始まった。

「整ったのだな」と、深い安堵を覚えた。

 

帰り道、自分の腕に目を向けると沢山のキラキラした粉に覆われていた。

それは手の甲、手の平まで覆い、少しすると消えてしまった。

それを見た時、満たされた自分が見えて、とても嬉しくなった。

 

 

 

人の身体、心、マインドという精密な物を作ったのは誰だろう。

生まれた時から誰に教わるわけでもなく、息をし、酸素を取り込む。

物を食べれば、自分が意図することもなく、

それぞれの臓器が勝手に役目を果たし、消化していく。

不要な物は吐き出され、必要なものは体に取り込まれ、私達の活力になっていく。

更に、マインド、心、体の3つの要素は互いにを関与し、

一人の一人のパーソナルを生み出している。

この緻密な仕組みは誰かが設計し、生み出したのではなく、

当たり前にそれは機能し、私たちはそれを当たり前に受け入れている。

 

時々思う。

これ以上優れたテクノロジーが地球上にあるのだろうか・・・。

海や山、川、動物、虫、細菌・・・それらも同様、

地球上にある全てが互いに関与し、循環することで

「生」のサイクルという調和を保ってきた。

でも、決してそれは人が生み出したものではない。

 

人は進化の過程で多くの無理をし、多くの無理を課し、

不調和の世界を作り上げてしまったように思う。

一度走り始めたその流れは止める事が出来ず、今、その「極み」を迎えている。

 

その過程で握りしめてきた物をそっと一つ一つ手を放していけば、

健やかで、何一つ欠けたところなどない「本来の自分」が現れるのではないか・・・

と心臓のあたりに想いがよぎっていった。